江華平和展望台からの眺め

江華平和展望台(강화평화전망대)の入口です。

ご覧の通り、見事な急坂を上っていきます


どこまでも続く真っ青な空、
静まりかえった中、時折吹く爽やかな秋の風。
心を癒すピンク色の秋桜の花。
江華平和展望台は、
南北平和統一を願って、
2008年5月に開館した文化観光施設です。
坂の途中で、後ろを振り返ると・・・

こんなに素晴らしい景色が広がっています!!

展望台が見えてきましたが、
まだまだ坂を上らなければなりません。

もうすっかり秋の気配

日本語を話す老夫婦とすれ違いました。
下に停まっていたタクシーで来られたようです。

やっと展望台に到着です


入場料は大人ひとり₩2,500。
風は爽やかですが、
さすがにここまで上がって来ると、
うっすら汗が出てきます。
建物の陰にあるベンチに座ります。
他に見物客はいないようです。
午後の2時になろうとしています。
ここで、少し遅めのランチにします。

来る時に、パリバケでサンドイッチを買って来ました

北朝鮮を眺めながらのランチなんて、
滅多に出来ることじゃありません。

地下と4階は出入禁止です。

1階にある統一念願所です。
南北統一へのさまざまな思いが、
紙に書かれてつるされています。

赤い所が平和展望台の位置。
川を隔てた向こう側は、北朝鮮の黄海北道です。
直線距離にして2.3km、
経済特別区の開城工業団地までは18kmの距離です。

上の地図の川幅がかなり広がっている方面。

その反対側。この川はご存知の漢江です。
一帯は、その河口付近にあたります。

そして、対岸の北朝鮮です。
見事なまでの快晴と、秋の澄んだ空気のお蔭で、
ここまで見えてしまっていいのか?と思うくらい、
はっきりと何もかもが見えています。
昨年の暮に訪れたオドゥ山統一展望台(2013/1/10)では、
霞んでいて、うっすらとしか見えませんでしたが、
今日は本当に何もかも丸見えです。

韓国側と同じように黄金に輝く田んぼが見えます。
北朝鮮で収穫される米の約30%を産出し、
比較的富裕層に属するとされる黄海北道。
ここから見る限りでは、今年は豊作のようです。

家々や川に掛かる橋までもが、
まるで映画でも見ているかのように見えます。

しかし、すぐ目の前にあるここに住む人たちは、
今どうやって暮らしているのでしょう。
あまりにも近くて、あまりにも遠い国。
束草から始まったこの旅の答えは、
今、目の前にしているこの景色が
すべてを物語っているように思えてなりませんでした。

海兵隊と書かれている戦車も展示されています。

遥か先の北朝鮮に向けて聳え立つ望拝壇。

この旅の集大成である江華平和展望台を、
色んな思いを胸に後にしました。
そして、自分は日本に帰国後、
衝撃の事実を知ることになりました。
我々が、江華平和展望台を訪れた、
2013年9月16日のほぼ同じ時刻に、
ここからわずかに東にある臨津江を、
泳いで北朝鮮に行こうとしていたと思われる男性が、
警戒勤務中の陸軍部隊に射殺されたということを知ったのです。
韓国国民と推定される民間人が、
北朝鮮に行こうとして射殺されたのは、
1990年代以降初めてだそうです。
(この事件を伝えるニュース ⇒ ★)
射殺された男性は、
6月に日本で難民申請をして受け入れられず、
強制追放されていたことが分かっているそうです。

郡内バスに乗って、江華ターミナルに戻ります。

あまりにも澄んだ青空が、残酷に思えてならない1日でした。
江華平和展望台(강화평화전망대)
場所:仁川広域市江華郡両寺面鉄山里6-1
인천광역시 강화군 양사면 철산리 6-1
時間:9:00~18:00
(11~2月、17:00まで、5~8月、19:00まで)