『となりの韓国人 傾向と対策』(黒田福美/著)

『となりの韓国人 傾向と対策』(黒田福美/著)講談社、2003.07
「傾向と対策」
なんて、著者らしくない、
(勝手知った昔からの知人のような口調でスミマセン・・・)
というか、本を読み始めた時に、
もう何度も訪韓した者なら、どこかで「そうそう!」と頷ける内容になっており、
これから再び訪韓するにあたって、また新たな“勇気が貰える”
そんな本であると感じました。
(あくまで個人的な感想ではありますが・・・)
そのことは、著者本人もまえがきで書いていて、
その、らしくない“傾向と対策”は、至る所で感じられております(笑)
著者の本はもう何冊も読ませて頂きました。
そのどれもが、その当時の革新的な内容になっていました。
自分も、自分だけの“ソウルの達人”を探し始めてから早十数年が経ち、
著者がソウルオリンピック以降の変わりゆくソウルに失望を感じ、
今後果たして何をネタに韓国を伝えたらいいのか戸惑っていた壁に、
実はここ数年、自分もぶち当たっておりました。
いったい何をしに幾度も韓国へ足を運ぶのだろう?
韓国へ行ったなら、必ず何か目新しい“ネタ”を持って帰らなければいけないような
この変な使命感みたいなものはいったい何なのだろう?
そんなことさえ考え始めていました。
ところが、この本を読み終えた時、
自分が本来“何をしたいのか”
韓国に“何を求めているのか”
が見えてきたような気がしました。
いや、見えてきたというより、
あの日、金浦空港に着陸する寸前に、雲の間から見えてきたソウルの街を、
背筋が凍るような(笑)思いで見つめたあのドキドキ感・・・
何をしたいのか、明確にはっきりしていた初めての韓国旅行の日、
あの日の気持ちを思い出すことができました。
何よりも自分が無条件で韓国が好きだということ。
韓国が好きという以外には何もない。
まるで、1番好きになった生涯の伴侶のようでもあり、
それは、何かと比べられるものでもなく、
言葉で言い表せられるものでもないのです。
そして気がつけば、またソウル行の航空券を買って、
となりの韓国人に会いにいくのだと思います。